
結論: 和歌山県の観光客数は、2025年(令和7年)で3,392万7,940人(前年比103.66%)です。3,000万人超えは3年連続、増加は5年連続ですが、コロナ前の2019年(3,543万2,866人)と比べると95.75%で、まだ届いていません。伸びているのは宿泊で、547万2,043人泊(同108.06%)は2019年の99.45%まで戻りました。外国人宿泊客は71万4,428人泊と過去最多です。数字を計画書に使うときは、区域・年・速報値か確定値か・出典と参照日の4点を必ず添えてください。それだけで「調べた形跡」が「使える根拠」に変わります。
この記事の要点 対象読者: 和歌山県内で宿・飲食店・小売店・観光アクティビティ・生活サービスを営む方、県内で開業や出店を考えている方、事業計画書や融資の申込書類に「地域の観光客数」を書く必要がある方 読了後にできること: 和歌山県の一次統計から、県全体・16の主要観光地・国別の外国人宿泊客の実数を自分で取り出し、区域と参照日を明記した形で計画書に貼れる状態になる
「市場規模の欄に、いったい何万人と書けばいいのか——。」
融資の申込書や補助制度の申請書で、手が止まった経験はないでしょうか。検索すると「3,390万人」「3,392万6千人」「3,392万7,940人」と、似ているのに一致しない数字が並びます。県の公式サイトを開いても、あるのは年ごとのPDFとオープンデータのデータセットだけで、どのファイルの何ページに何の数字があるのかは書かれていません。
原因は、あなたの調べ方が悪いからではありません。和歌山県の観光統計は、同じ年について「速報値」と「確定値(報告書)」が別々に公表され、しかも集計区分が「県計」「主要観光地別」「市町村別」の3系統に分かれているからです。この構造を知らずに検索すると、性質の違う数字を拾って混ぜてしまいます。
この記事では、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組む立場から、和歌山県の観光統計を一次資料だけで読み解く7ステップと、そのままコピペで使える8本のプロンプト、そして「計画書に書ける観光統計・書けない観光統計」を分けるチェックリストを公開します。掲載する数字は、2026年9月4日時点で和歌山県および報道各社の公開資料に記載を確認できたものだけです。確認できなかったものは、そのまま「確認できませんでした」と書きます。手元に書きかけの計画書を開きながら、読み進めてください。
目次
まず結論:和歌山県の観光統計を読み解く7ステップ(即効早見表)
最初に全体像です。7つを順番に進めれば、まとめサイトを一度も経由せずに、根拠つきの数字が手元に揃います。所要時間は、慣れれば30分ほどです。
| ステップ | やること | 今日できる最初の一歩 |
|---|---|---|
| 1. 用途を決める | 県全体・地区・市町村のどれで語るかを決める | 計画書の対象エリアを1行で書く |
| 2. 年計を取る | 県計の総数・宿泊・日帰りを写す | 令和7年報告書のPDFを開く |
| 3. 版を確認する | 速報値か確定値かを区別する | 資料名に「速報値」があるか見る |
| 4. 地区を特定する | 主要観光地16地区から自分の地区を選ぶ | 自分の町がどの地区かを確かめる |
| 5. 外国人を見る | 国・地域別の内訳と前年比を確認する | 上位3か国を書き出す |
| 6. 推移で測る | 2019年比と前年比の両方を出す | 令和元年の数字を並べる |
| 7. 出典を残す | 資料名・年・区域・URL・参照日を書く | 表の下に脚注を1行足す |

ポイントは順番です。多くの人はステップ2(数字を探す)から始めますが、用途を決める前に検索すると、県全体の3,392万人と地区の数百万人を同じ資料の中に並べてしまいます。先に「私が語りたいのはどの範囲か」を決める。これだけで、以降の作業が一本道になります。
ステップ1〜3は最初の10分で終わります。ステップ4〜6は、その数字を「自分の商売の言葉」に翻訳する作業で、ここに時間をかける価値があります。ステップ7は地味ですが、融資面談で「その数字はいつ時点の何ですか」と聞かれたときに、答えられるかどうかを分ける一手間です。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
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和歌山県の観光客数とは|「速報値」「確定値」「入込客数」の違い
本記事で言う「観光客数」とは、和歌山県が毎年公表している観光客動態調査の推計値を指します。観光目的で県内を訪れた人数(宿泊客+日帰り客)の推計であり、改札や入口を全数カウントしたものではありません。この前提を最初に押さえてください。
同じ令和7年について、県は次の2種類を公表しています。
- 速報値: 令和8年(2026年)4月23日資料提供。観光客総数約3,392万6千人、宿泊客数約547万人泊、外国人宿泊客数71万3,562人泊
- 確定値(報告書): 観光客動態調査報告書に掲載。観光客総数3,392万7,940人、宿泊客数547万2,043人泊、日帰り客数2,845万5,897人、外国人宿泊客数71万4,428人泊

差は数百人〜千人規模ですが、報道記事の多くは速報値をもとに書かれています。ニュースで見た数字と報告書の数字が一致しないのは、この違いによるものです。
そのうえで、和歌山県の観光客数は次の5つの数字で構成されています。この5つが揃って、はじめて「使える市場データ」になります。
- 観光客総数: 3,392万7,940人(令和7年・前年比103.66%)
- 宿泊客数: 547万2,043人泊(同108.06%)
- 日帰り客数: 2,845万5,897人(同102.85%)
- 外国人宿泊客数: 71万4,428人泊(同140.0%・過去最多)
- 主要観光地別の内訳: 16地区のうち11地区が増加、5地区が減少
以降の7ステップは、この5つを一次資料から順に取り出す手順です。
和歌山県の観光統計を読み解く7ステップ(完全版)
ここからが本体です。各ステップのプロンプトは、ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて使います。数字そのものはあなたが一次資料から取り、AIには「整理」と「言語化」だけを任せる、という分担が前提です。数字探しをAIに丸投げすると、実在しない統計を作られます。
ステップ1: 県全体・地区・市町村のどれで語るかを決める
和歌山県の報告書には、集計区分が3系統あります。県全体の年計、16の主要観光地区、そして30市町村です。県内全域で商売をするなら県計、温泉地や観光拠点で商売をするなら地区、自治体の入札や補助制度の書類なら市町村。この3つを混ぜないことが出発点です。
あなたは地域の統計に詳しい調査アシスタントです。以下の材料から、私の事業計画で使うべき集計区分を1つに決め、その理由を3行で説明してください。
【材料】
・業種と店の場所: (例: 田辺市の中辺路沿いの民宿5室)
・お客様が実際に来る範囲: (例: 熊野古道を歩く人が中心)
・この数字を書く書類: (例: 日本政策金融公庫の創業計画書)
・選択肢A: 和歌山県全体(県計)
・選択肢B: 主要観光地16地区のいずれか
・選択肢C: 市町村別
出力: ①選ぶべき区分 ②理由3行 ③計画書に書く1文の例。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、途中で区分を変えないことです。総数は県計、月別は地区という混ぜ方をすると、比率の計算が合わなくなります。
ステップ2: 県計の年計を一次資料から写す
一次資料は、和歌山県地域振興部観光局の和歌山県の観光客動態(観光客動態調査報告書の一覧ページ)です。平成21年分から最新年分までのPDFが並んでいます。令和7年(2025年)分は令和7年 和歌山県観光客動態調査報告書(PDF)です。オープンデータとしては和歌山県観光客動態調査報告書のデータセット(CKAN/BODIK)にも登録されています。
令和7年の県計は、観光客総数3,392万7,940人(前年比103.66%)、宿泊客数547万2,043人泊(同108.06%)、日帰り客数2,845万5,897人(同102.85%)です。宿泊客率は16.13%。つまり和歌山県を訪れる人の6人に1人しか泊まっていません。
あなたは統計の整理が得意なアシスタントです。以下の材料を、そのまま事業計画書に貼れる表形式(項目/人数/前年比)に整理してください。
【材料】
・出典資料名: 和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」
・区分: (ステップ1で決めた区分)
・観光客総数: (報告書から書き写した実数)
・宿泊客数: (同上)
・日帰り客数: (同上)
・県全体の観光客総数: (同上)
出力: ①整理した表 ②県全体に占める割合の計算 ③表の下に付ける出典脚注の文面。【材料】にない数字を補わないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、報告書のPDFは毎年ファイル名が変わることです。リンクだけでなく「令和7年報告書の何ページ」までメモしておくと、翌年の更新時に迷いません。
ステップ3: 速報値か確定値かを区別する
県は毎年春に速報値を資料提供し、その後に報告書(確定値)を公開します。令和7年分の令和7年 観光客動態調査(速報値・PDF)は令和8年4月23日付で、観光客総数を千人単位に丸めた「約3,392万6千人」としています。報告書の3,392万7,940人とは、桁の見え方も端数も一致しません。
外国人宿泊客も同様で、速報値は71万3,562人泊、確定値は71万4,428人泊です。どちらも「過去最多」という結論は変わりませんが、資料の中で混在させると、合計が合わなくなります。
あなたは資料の校正者です。以下の文章に出てくる統計数値が、速報値と確定値のどちらに基づくかを1つずつ判定してください。
【材料】
・私が書いた文章: (そのまま貼り付け)
・参照した資料の一覧: (資料名・公表日・URL)
出力: ①各数値の出所(速報値/確定値/不明) ②混在している箇所の指摘 ③どちらかに統一した修正案。【材料】にない数字を新たに追加しないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、報道記事を出典に使う場合です。新聞・テレビの記事は速報値の時期に出るため、確定値と食い違うことがあります。報道は「傾向の裏づけ」に使い、数値そのものは報告書から取るのが安全です。
ステップ4: 主要観光地16地区で自分のエリアを特定する
報告書の主要観光地別観光客推計総括表には、県内を16地区に分けた数字が載っています。令和7年は次のとおりです。
| 主要観光地 | 観光客総数 | うち宿泊客 | うち日帰り客 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 高野山 | 1,460,846 | 198,211 | 1,262,635 | 103.00% |
| 加太・友ヶ島・磯ノ浦 | 942,707 | 113,746 | 828,961 | 102.40% |
| 和歌浦・紀三井寺・和歌山城他 | 5,580,920 | 980,993 | 4,599,927 | 106.69% |
| 西有田 | 1,385,449 | 37,359 | 1,348,090 | 95.74% |
| 煙樹海岸・白崎海岸・道成寺・御坊他 | 959,010 | 105,665 | 853,345 | 98.87% |
| 龍神温泉・護摩壇山 | 391,477 | 38,138 | 353,339 | 101.45% |
| 田辺・中辺路・百間山・みなべ | 1,896,187 | 427,855 | 1,468,332 | 105.04% |
| 白浜温泉・椿温泉 | 3,090,327 | 1,817,488 | 1,272,839 | 102.77% |
| 枯木灘 | 1,166,163 | 65,010 | 1,101,153 | 99.78% |
| 串本 | 2,059,528 | 519,058 | 1,540,470 | 107.59% |
| 勝浦温泉・湯川温泉 | 1,741,962 | 504,648 | 1,237,314 | 107.92% |
| 熊野本宮温泉郷 | 1,755,460 | 151,860 | 1,603,600 | 108.54% |
| 新宮・瀞峡 | 1,293,447 | 187,788 | 1,105,659 | 106.89% |
| 海南生石山周辺 | 2,523,887 | 63,787 | 2,460,100 | 99.98% |
| 龍門山(旧称紀仙郷) | 2,795,311 | 85,900 | 2,709,411 | 104.87% |
| 橋本周辺 | 3,357,358 | 104,664 | 3,252,694 | 99.20% |
| その他 | 1,527,901 | 69,873 | 1,458,028 | 105.64% |
| 合計 | 33,927,940 | 5,472,043 | 28,455,897 | 103.66% |

この表から3つのことが読み取れます。第一に、16地区のうち増加は11地区、減少は5地区で、県全体の増加は「全域で伸びた」結果ではありません。第二に、総数が最も多いのは和歌浦・紀三井寺・和歌山城他の558万920人ですが、宿泊客が最も多いのは白浜温泉・椿温泉の181万7,488人泊で、県内の宿泊の33.2%が白浜温泉・椿温泉に集まっています。第三に、伸び率の上位は熊野本宮温泉郷(108.54%)、勝浦温泉・湯川温泉(107.92%)、串本(107.59%)と、いずれも紀南のエリアです。
あなたは地域の商売に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の地区の特徴を3点に絞って説明してください。
【材料】
・私の地区名と観光客総数・宿泊客数・日帰り客数: (実数)
・その地区の前年比: (実数)
・和歌山県全体の同4項目: (実数)
・私の業種と客単価: (例: 昼のみ営業の食堂・客単価1,200円)
出力: ①宿泊客率の計算と県平均16.13%との比較 ②地区の前年比と県計103.66%との差が意味すること ③この構造を前提にした打ち手を1つ。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、地区名と市町村名が一致しないことです。たとえば白浜町は「白浜温泉・椿温泉」(旧白浜町地域)と旧日置川町地域に分かれ、町全体では325万7,693人になります。この区分の違いは白浜町の観光客数|326万人と309万人の違いと調べ方7ステップ【2026年9月】で詳しく整理しています。
ステップ5: 外国人宿泊客を国・地域別に見る
令和7年の外国人宿泊客は71万4,428人泊で、前年の51万293人泊から140.0%に伸び、過去最多を更新しました。国・地域別の内訳は次のとおりです。
| 国・地域 | 令和7年(人泊) | 令和6年(人泊) | 前年比 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 中国 | 243,635 | 123,026 | 198.0% | 34.1% |
| 欧米豪 | 222,723 | 182,808 | 121.8% | 31.2% |
| 台湾 | 55,899 | 45,355 | 123.2% | 7.8% |
| 香港 | 35,366 | 49,018 | 72.1% | 5.0% |
| 韓国 | 30,527 | 25,206 | 121.1% | 4.3% |
| シンガポール | 10,978 | 10,205 | 107.6% | 1.5% |
| タイ | 5,578 | 5,090 | 109.6% | 0.8% |
| アジアその他 | 18,643 | 16,948 | 110.0% | 2.6% |
| その他 | 91,079 | 52,637 | 173.0% | 12.7% |
| 計 | 714,428 | 510,293 | 140.0% | 100.0% |
見落とされやすいのが香港です。唯一減少している国・地域で、前年比72.1%、構成比も9.6%から5.0%へ下がりました。中国が198.0%と倍増した一方で、香港が減っている。「インバウンドは全体的に好調」という一言でまとめると、この動きは見えません。
地区別では、白浜温泉・椿温泉が14万7,169人泊で最多、次いで和歌浦・紀三井寺・和歌山城他が13万9,533人泊、勝浦温泉・湯川温泉が11万9,404人泊、高野山が11万7,512人泊と続きます。上位4地区の合計は52万3,618人泊で、県全体の約73%を占めます。
あなたはインバウンド対応に詳しいアドバイザーです。以下の材料から、私の店が今年やるべき多言語対応の優先順位を決めてください。
【材料】
・和歌山県の外国人宿泊客数と前年比: (実数)
・国・地域別の上位5つと人泊数・前年比: (実数)
・私の地区の外国人宿泊客数: (実数)
・私の店の現状: (例: 日本語メニューのみ、英語の口コミが3件未返信)
・かけられる予算と時間: (例: 予算0円、週1時間)
出力: ①対応言語の優先順位と理由 ②今月やること3つ ③やらなくてよいこと2つ。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、県全体の構成比をそのまま自分の地区に当てはめないことです。同じ和歌山県でも、高野山や熊野古道沿線は欧米豪の比率が高く、白浜は中国の比率が高いという違いがあります。沿線事業者向けの実務は熊野古道のインバウンド対応|沿線事業者の7ステップと免税制度の期限【2026年8月】にまとめました。
ステップ6: 推移で「増加」か「回復」かを見分ける
単年の前年比だけでは、増えているのか戻っているのかが分かりません。報告書の年次別推移表を使うと、県計は次のように動いています。
| 年 | 観光客総数 | うち宿泊客 | うち日帰り客 |
|---|---|---|---|
| 2015年(平成27年) | 33,399,381 | 5,686,106 | 27,713,275 |
| 2016年(平成28年) | 34,869,979 | 5,247,072 | 29,622,907 |
| 2017年(平成29年) | 33,759,049 | 5,166,061 | 28,592,988 |
| 2018年(平成30年) | 34,618,849 | 5,411,139 | 29,207,710 |
| 2019年(令和元年) | 35,432,866 | 5,502,058 | 29,930,808 |
| 2020年(令和2年) | 24,784,172 | 3,243,968 | 21,540,204 |
| 2021年(令和3年) | 24,879,172 | 3,382,981 | 21,496,191 |
| 2022年(令和4年) | 29,138,360 | 4,303,304 | 24,835,056 |
| 2023年(令和5年) | 31,941,462 | 4,922,380 | 27,019,082 |
| 2024年(令和6年) | 32,730,512 | 5,063,979 | 27,666,533 |
| 2025年(令和7年) | 33,927,940 | 5,472,043 | 28,455,897 |
ここに、意外な事実が2つ隠れています。1つ目は、総数は2019年比で95.75%とまだ戻っていないのに、宿泊客数は99.45%まで戻っていることです。回復が遅れているのは日帰り客(95.07%)のほうです。2つ目は、3,000万人超えが2023年から3年連続、増加は2021年から5年連続である一方、2016年の3,486万9,979人という水準にも届いていない点です。
あなたは事業計画の作成を支援するアドバイザーです。以下の材料から、計画書の「市場環境」欄に貼れる文章を300字以内で書いてください。
【材料】
・区分と直近年の観光客総数・前年比: (実数)
・過去10年の観光客総数: (実数の一覧)
・コロナ前(2019年)との比較: (%)
・私の事業内容: (例: 田辺市での飲食店開業)
条件: 増加要因も未達要因も両方書く/断定を避け、根拠となる資料名と年を必ず本文に入れる。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
補足すると、令和7年の伸びの背景として、県の速報値は「大阪・関西万博の開催による関西圏の観光需要の高まりや、インバウンドが引き続き好調であること」を挙げています。万博は2025年限りの要因ですから、2026年以降の計画では、この分を差し引いて考えるほうが堅くなります。差し引き方の下書きは、次のプロンプトで作れます。
あなたは事業計画の前提づくりを支援するアドバイザーです。以下の材料から、来期の来客見込みを3つのシナリオ(強気/標準/保守)で整理してください。
【材料】
・私の地区の直近年の観光客総数と前年比: (実数)
・過去10年の県計の推移: (実数の一覧)
・2025年に一度きりで働いた要因: (例: 大阪・関西万博)
・私の事業内容と現在の客数: (例: 串本町の食堂・月800人)
条件: 各シナリオの前提を1行で明示する/根拠にした年と資料名を必ず書く/一度きりの要因は標準・保守シナリオから外す。事実に基づかない推測は「仮説」と明記してください。
※そのままコピーして使えます
ステップ7: 出典・参照日をセットで記録する
最後の一手間が、実は一番効きます。数字の下に「資料名・年・区域・URL・参照日」を1行で残してください。融資面談や補助制度の相談で「その数字の出どころは」と聞かれたとき、即答できるかどうかで印象が変わります。書式は次の形で十分です。
出典: 和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」主要観光地別観光客推計総括表(報告書PDF)(参照日: 2026-09-04)
あなたは資料作成の校正者です。以下の文章に含まれる数字を1つずつ確認し、出典が書かれていないものを指摘してください。
【材料】
・私が書いた市場環境の文章: (そのまま貼り付け)
・使った資料の一覧: (資料名・年・URL・参照日)
出力: ①出典が欠けている数字の一覧 ②区分や年が曖昧な表現の一覧 ③修正後の文章。【材料】にない数字を新たに追加しないでください。
※そのままコピーして使えます
注意点は、AIに「和歌山県の観光客数を教えて」と直接聞かないことです。年や区分を取り違えた数字が、もっともらしい形で返ってきます。数字は必ず自分で報告書から写し、AIには校正だけをさせてください。融資の相談窓口そのものの使い方は、日本政策金融公庫 田辺支店の使い方|取扱業務と相談前の準備7ステップ【2026年9月】にまとめています。
用途別・見るべき数字の選び方
同じ観光統計でも、何に使うかで見るべき欄が変わります。自分の目的に近い行から着手してください。
| 用途 | 見るべき数字 | 一次資料での場所 |
|---|---|---|
| 事業計画・融資の市場環境欄 | 県計の総数と前年比、2019年比 | 年次別推移表/主要観光地別総括表 |
| 出店・立地の判断 | 地区別の宿泊客率、宿泊施設の軒数と定員 | 主要観光地別総括表/宿泊施設収容力 |
| 商品と価格の設計 | 地区別の宿泊客と日帰り客の構成 | 主要観光地別・市町村別の総括表 |
| インバウンド対応 | 国・地域別の人泊数と前年比、地区別内訳 | 外国人宿泊客の国・地域別/主要観光地別 |

宿を営む方には、宿泊客率の比較が特に役立ちます。県平均は16.13%ですが、白浜温泉・椿温泉は58.8%、勝浦温泉・湯川温泉は29.0%、田辺・中辺路・百間山・みなべは22.6%と大きく違います。同じ「和歌山県の観光客」でも、泊まる人の割合はエリアで3倍以上開くということです。予約の受け方そのものを見直したい方は、南紀の宿が直予約を増やす方法|白浜・田辺・串本の実情に合わせた7ステップ【2026年8月】を参考にしてください。
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【要注意】和歌山県の観光統計でつまずく4つのパターン
数字を正しく取り出しても、次の4つのどれかに当てはまると、資料としての信頼を落とします。
失敗1: 速報値と確定値を混ぜて使う
❌ よくある間違い: 総数は報道で見た「約3,392万6千人」を使い、内訳は報告書の確定値から拾って、同じ表に並べてしまう。
⭕ 正しいアプローチ: どちらか一方に統一し、表の見出しか脚注に「令和7年観光客動態調査報告書(確定値)」または「同(速報値・令和8年4月23日資料提供)」と明記する。
なぜ重要か: 差は小さくても、内訳の合計が総数と一致しなくなるからです。読み手が電卓を叩いた瞬間に「この人は数字を確かめていない」と伝わってしまいます。
失敗2: 「人泊」と「実人数」を同じものとして扱う
❌ よくある間違い: 宿泊客547万2,043人泊を「547万人が泊まった」と書き、日帰り2,845万人と足して説明する。
⭕ 正しいアプローチ: 宿泊は「人泊(延べ泊数)」であることを明記する。2泊した1人は2人泊として数えられるため、実際に泊まった人数は人泊数より少なくなります。
なぜ重要か: 客数の見込みを人泊ベースで立てると、必要な客室数や仕入れ量を過大に見積もることになるからです。県の報告書も、日帰り客の単位は「人」、宿泊客の単位は「人泊」と書き分けられています。
失敗3: 「県全体が伸びた」を自分の地区の話にすり替える
❌ よくある間違い: 前年比103.66%という県計の伸びを、そのまま自分の商圏の成長率として計画に織り込む。
⭕ 正しいアプローチ: 16地区の表から自分の地区の前年比を確認する。西有田は95.74%、橋本周辺は99.20%と、減っている地区も5つあります。
なぜ重要か: 県計の伸びは、和歌浦・紀三井寺・和歌山城他(106.69%)や紀南の温泉地といった特定エリアの伸びに支えられているからです。減少地区で県平均の成長を前提に計画を組むと、初年度から未達になります。
失敗4: 出典と参照日を書かずに数字だけ貼る
❌ よくある間違い: まとめサイトで見つけた「約3,390万人」を、出どころを確かめずに計画書へ転記する。
⭕ 正しいアプローチ: 県の報告書PDFまで自分でたどり、資料名・年・区分・URL・参照日を脚注に残す。
なぜ重要か: 観光統計は毎年更新され、速報値が確定値に置き換わることもあります。参照日がないと、その数字がいつ時点のものか誰にも検証できず、資料全体の信頼が下がるからです。白浜への移住準備で地域の事業者の方と話す中でも、数字そのものより「どこから取ったか」を聞かれる場面のほうが多いと感じます。
ここまでの作業は、すべて無料で公開されている資料だけで完結します。それでも「PDFを開く時間が取れない」「数字は出せたが計画書の文章にできない」という方もいるはずです。私たちは白浜(和歌山)への移住準備を進めながら、観光地の宿や店舗のSNS運用・集客支援に取り組んでいます(宮古島・伊豆へも現地訪問で対応)。無料ヒアリングは最大60分、ご用意いただくのは書きかけの計画書だけで、契約前提の営業はいたしません。提案が不要なら30分の情報交換のみでも歓迎です。
「うちの宿の場合はどうすればいい?」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。
最大60分の無料ヒアリングで、貴施設の集客の現在地と次の一手を一緒に整理します。
※契約を前提とした営業は一切いたしません。30分の情報交換のみでも歓迎です。
計画書に書ける観光統計・書けない観光統計(チェックリスト)
現在地の確認に使ってください。書きかけの資料を見ながら、当てはまるものにチェックを入れます。
- □ どの区分の数字か(県計・主要観光地・市町村)を明記している
- □ 何年(西暦・和暦)の数字かを明記している
- □ 速報値か確定値かを区別し、資料の中で統一している
- □ 観光客総数を宿泊客と日帰り客に分けて示している
- □ 宿泊客の単位が「人泊」であることを理解し、そう書いている
- □ 外国人宿泊客の国・地域別内訳と前年比を確認している
- □ 資料名・URL・参照日を脚注に残している
- □ 県全体の数字を、自分の地区・商圏の規模まで引き直している

特に見落とされやすいのが、3つ目の「速報値か確定値か」です。チェックが3つ未満でも心配はいりません。この記事の7ステップは、上から順に進めればチェックが1つずつ埋まる構成になっています。
外国人宿泊客71万人泊は過去最多|伸びしろは「泊まらない2,845万人」にある
和歌山県の観光統計を通して読むと、事業者にとっての機会は2か所に見えてきます。
1か所目は、インバウンドです。外国人宿泊客は71万4,428人泊と過去最多で、前年比140.0%。外国人宿泊は過去最多の3273万人 和歌山県が観光客動態調査(観光経済新聞)が報じたとおり前年の51万293人泊も当時の過去最多でしたから、2年続けて記録を塗り替えたことになります。外国人宿泊数が過去最多 25年県内、万博効果など(わかやま新報・2026年5月19日)も、市町村別で白浜町14万7,547人泊、和歌山市14万4,106人泊、高野町11万7,512人泊(いずれも速報値)と伝えています。それでも、外国人宿泊客が県内の宿泊客全体に占める割合は13.1%にとどまります。
2か所目は、日帰り客です。県計2,845万5,897人の日帰り客に対し、宿泊は547万2,043人泊。宿泊客率は16.13%で、2019年の15.53%からわずかに上がった程度です。和歌山県を訪れる人の8割以上は、泊まらずに帰っています。
この2つを重ねると、和歌山県の観光の課題がはっきりします。総数はコロナ前の95.75%まで戻り、外国人は過去最多。それでも日帰り中心の構造は変わっていない、ということです。裏を返せば、「もう1泊してもらう理由」や「日帰り客の滞在時間を1時間延ばす仕掛け」を持つ事業者には、まだ手つかずの余地が残っています。
観光統計を眺めているだけでは、この余地は自分のものになりません。前年比や構成比を、自分の店の「何を変えるか」に翻訳するところまでが、統計を読む作業です。人口という別の切り口から地域の商圏を捉え直す方法は、田辺市の人口推移|6万4,316人の読み方と商圏への引き直し7ステップ【2026年9月】で扱っています。
よくある質問
Q. 和歌山県の観光客数は今何人ですか?
最新の公表値は令和7年(2025年)で、観光客総数3,392万7,940人(前年比103.66%)です。うち宿泊客が547万2,043人泊、日帰り客が2,845万5,897人。出典は和歌山県「令和7年 観光客動態調査報告書」です。速報値では約3,392万6千人と発表されました。
Q. 和歌山県観光客動態調査とは何ですか?
和歌山県地域振興部観光局が毎年公表している観光統計で、県内を訪れた観光客数を宿泊・日帰りに分けて推計したものです。県計・主要観光地16地区・市町村別の3系統で集計され、外国人宿泊客の国・地域別内訳も掲載されています。平成21年分から報告書PDFが公開されています。
Q. 2025年(令和7年)の和歌山の観光統計で押さえるべき点はどこですか?
3点です。①観光客総数3,392万7,940人は3,000万人超えが3年連続、増加が5年連続 ②外国人宿泊客71万4,428人泊は過去最多で前年比140.0% ③ただし主要観光地16地区のうち5地区は前年割れで、県全体の伸びは全域一律ではありません。
Q. 和歌山県の宿泊客数はどのくらいですか?
令和7年で547万2,043人泊、前年比108.06%です。コロナ前の2019年(550万2,058人泊)の99.45%まで戻っており、総数の95.75%より回復が進んでいます。県内の宿泊のうち33.2%は白浜温泉・椿温泉に集中しています。
Q. 和歌山県で外国人宿泊客が多いのはどの国ですか?
令和7年は中国が24万3,635人泊(構成比34.1%)で最多、次いで欧米豪22万2,723人泊(31.2%)、台湾5万5,899人泊(7.8%)です。香港だけは前年比72.1%と減っており、構成比も9.6%から5.0%へ下がりました。
Q. 和歌山県の観光客数はコロナ前まで回復しましたか?
総数はまだです。2019年の3,543万2,866人に対し2025年は3,392万7,940人で、95.75%にとどまります。一方で宿泊客数は99.45%まで戻っており、回復が遅れているのは日帰り客(95.07%)のほうです。
Q. 市町村ごとの観光客数はどこで見られますか?
同じ報告書の市町村別観光客推計総括表に掲載されています。ただし主要観光地の地区名と市町村名は一致しないため、読み替えが必要です。たとえば白浜町の場合、地区としての「白浜温泉・椿温泉」は309万327人、自治体としての白浜町は325万7,693人になります。詳しくは白浜町の観光客数|326万人と309万人の違いと調べ方7ステップ【2026年9月】をご覧ください。
Q. 統計の数字を計画書に書くとき、何を添えればいいですか?
資料名・年(西暦と和暦)・区分・URL・参照日の5点です。加えて、速報値か確定値かを明記してください。観光統計は毎年更新され、速報値が確定値に置き換わるため、この5点がないと第三者が検証できません。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 自分の計画で使う区分を「県計」「主要観光地16地区」「市町村別」から1つ決め、令和7年報告書から観光客総数・宿泊客数・日帰り客数の3つを書き写す
- 今週中にやること: 自分の地区の前年比を県計103.66%と比べ、上回っているか下回っているかを1行でメモする
- 今月中にやること: 外国人宿泊客の国・地域別内訳を自分の店の対応言語と突き合わせ、資料には資料名・年・区分・URL・参照日の脚注を付ける
数字を集めることが目的ではありません。「県全体は3.66%伸びたが、うちの地区は前年割れだった」——この1行が出てきたときに、はじめて統計はあなたの商売の道具になります。
次回予告: この記事で確認した宿泊客率の地域差を、実際の予約導線に落とし込む方法を南紀の宿が直予約を増やす方法|白浜・田辺・串本の実情に合わせた7ステップ【2026年8月】で扱っています。
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参考・出典
- 和歌山県地域振興部観光局令和7年 和歌山県観光客動態調査報告書(PDF)(主要観光地別観光客推計総括表、観光客年次別推移表、外国人宿泊客の国・地域別および主要観光地別推計)/一覧ページ: 和歌山県の観光客動態 (参照日: 2026-09-04)
- 和歌山県令和7年 観光客動態調査(速報値・PDF/令和8年4月23日資料提供)(観光客総数約3,392万6千人・外国人宿泊客71万3,562人泊・万博とインバウンドに関する記述) (参照日: 2026-09-04)
- 和歌山県オープンデータ【和歌山県】観光客動態調査報告書(CKAN/BODIK)(CC BY 4.0) (参照日: 2026-09-04)
- わかやま新報外国人宿泊数が過去最多 25年県内、万博効果など(2026年5月19日/速報値ベースの市町村別外国人宿泊客数) (参照日: 2026-09-04)
- 観光経済新聞外国人宿泊は過去最多の3273万人 和歌山県が観光客動態調査(令和6年の県計3,273万1千人・外国人宿泊51万293人泊) (参照日: 2026-09-04)
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※本記事の数値は、記載した資料の公表値および参照日時点の内容です。統計は毎年更新され、速報値が確定値に置き換わることもあります。実績は代表およびメンバー個人としての活動を含みます。